令和5年度建設部門(施工計画)Ⅱ-2-2の学習記録を復元しました。
高評価のポイントは、品質管理上のリスクについて、「現場特性を活かして」一つ設定することにあると思います。
私の場合は、走行車両の振動がコンクリートの一体化を妨げる点をリスクとして挙げております。実現場で経験済みでしたので・・・。
問題文
地 方 都 市 の 自 動 車 専 用 道 路 に 架 か る R C 桁 橋 ( 9 径 間 , 橋 長2 0 0 m 、 有 効 幅 員 1 0 m 、 ス ラ ブ 厚 1 m ) に お い て 、 縦 目 地 を 設 け ず に 既 設 部 と 構 造 的に 一 体 化 し て 上 部 工 拡 幅 部 ( 幅 6 m ) を 設 け る 工 事 を 行 う こ と に な っ た 。 既 設 部 は 将 来拡 幅 を 見 込 ん だ 設 計 と な っ て い る 前 提 で , 本 工 事 の 担 当 責 任 者 と し て 、 以 下 の 設 問 に 答え よ 。 な お 、 施 工 時 期 は 冬 期 、 本 線 及 び 側 道 は 車 線 規 制 ( 昼 夜 間 ) の み 可 能 、 本 工 事 施工 箇 所 周 辺 は 田 畑 で あ り 、 住 宅 , 商 店 、 地 下 埋 設 イ ン フ ラ 設 備 等 は な い も の と す る 。
( 1 ) 本 工 事 の 特 性 を 踏 ま え て 、 施 工 計 画 を 立 案 す る う え で 安 全 管 理 上 検 討 す べ き 事 項 を2 つ 挙 げ 、 技 術 的 側 面 か ら そ の 内 容 を 説 明 せ よ 。
( 2 ) 本 工 事 の 構 造 的 一 体 化 を 妨 げ る 品 質 管 理 上 の リ ス ク を 1 つ 挙 げ 、 P D C A サ イ ク ルに お け る 計 画 段 階 で 考 慮 す べ き 事 項 , 検 証 段 階 で の 具 体 的 方 策 , 及 び 是 正 段 階 で の 具体 的 方 策 に つ い て そ れ ぞ れ 述 べ よ 。
( 3 ) 床 版 コ ン ク リ ー ト を 予 定 の 半 分 程 度 打 設 し て い た 階 で 、 コ ン ク リ ー ト 製 造 工 場 の練 り 混 ぜ 機 械 が 故 障 し コ ン ク リ ー ト 打 設 を 中 止 せ ざ る を 得 な く な っ た 。 こ の 対 応 に 当た り 、 本 工 事 の 担 当 責 任 者 と し て 発 揮 す べ き リ ー ダ ー シ ッ プ に つ い て 、 複 数 の 利 害 関係 者 を 列 記 し 、 そ れ ぞ れ の 具 体 的 調 整 内 容 に つ い て 述 べ よ 。
回答文
1.安全管理上検討すべき事項
1.1.本線部の交通規制
本工事では、供用中の橋梁上での高欄撤去及び拡幅工を実施する特性があり、少なくとも1車線の交通規制が必要となる.本線は自動車専用道路であり、高速走行のために制動距離が長くなる.そのため、工区手前からの内照型規制標識の配置、仮設防護柵による車線絞り込みを検討する.
1.2.揚重機及び足場の転倒対策
揚重機を側道付近に配置する必要があるという特性から、揚重機の転倒対策が必須となる.重機出入り経路及びアウトリガー設置地盤面については、簡易載荷試験を実施して地盤状況を確認する.その結果により、地盤改良や敷き鉄板などの補強を検討する.
2.品質管理上のリスクとPDCA
本工事の構造的一体化を妨げるリスクは、打継ぎ目の不連続化である.具体的には、本線部(1車線)での車両交通により、既設床版は常に振動しているため、初期硬化前のフレッシュコンクリートとの接合部において塑性的な微細破壊を生じさせる恐れがある.このリスクに対処するためのPDCAサイクルを以下に示す.
Plan:計画段階において考慮すべきことは、走行車両の速度制限である.走行速度を低減させることで、振動を低減し、接合部の連続化を図る.
Do:施工段階では、冬季の早強ポルトランドセメントで初期強度が得られる約3日間については、特に制限速度が守られるよう、誘導員等を活用し規制を強化する.
Check:検証段階での具体的方策は、接合部のひび割れ計測及びひび発見時の修繕である.計測方法は、非破壊検査手法である超音波探査が望ましい.
Act:是正段階での具体的方策は、さらなる速度制限である.走行速度をさらに低減させ、振動発生を抑える.
3.練り混ぜ機故障時のリーダーシップ
利害関係者は、①発注者、②コンクリート製造工場、③道路管理者・交通管理者である.
発注者・交通管理者との具体的調整内容は、工期・交通規制の延長である.協議時にはネットワーク工程表を提出し、工程のクリティカルパス上の遅延である点を明確にし説明する.
製造工場との具体的調整内容は、対応費用の負担及び機器故障原因の報告請求である.既打設部の撤去や再度打設に要する費用の負担についての協議に加え、再発防止を要求する.なお、再発防止が明確でない場合は、調達工場切り替えを検討する.


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