令和3年度_技術士建設部門(施工計画)Ⅲ-1 週休2日の多工種工事

技術士試験

令和3年度建設部門(施工計画)Ⅲ-1の学習記録を復元しました。

週休二日の観点で多工種工事を見ると、

・段取り替えが多く、能率低下しやすい。

・技能者の給料が減る。(多工種とはあまり関係ない)

・想定外リスクへの対応がより必要となる。

という課題が素直に挙げられると思います。中でも、多工種・週休二日に最も関連する課題を、最重要課題に挙げています。

解決策は、下記のほかには「多能工化」も段取り替えがスムーズになり、良い解決策になると思います。

過去問に取り組みながら、本設問が本番で出ないであろうことが悔やまれました。


問題文

働 き 方 改 革 関 連 法 に よ る 改 正 労 働 基 準 法 ( 平 成 3 1 年 4 月 施 行 ) に 基 づ き 、 令 和 6年 4 月 か ら 建 設 業 に 時 間 外 労 働 の 罰 則 付 き 上 限 規 制 が 適 用 さ れ る こ と と な っ た 。 ま た 、 公共 工 事 に お い て は 週 休 二 日 対 象 工 事 の 発 注 が 拡 大 し て い る 。

建 設 業 が 引 き 続 き , 社 会 資 本 の 整 備 ・ 維 持 管 理 、 災 害 対 応 , 都 市 ・ 地 域 開 発 , 住 宅 建

設 ・ リ フ ォ ー ム 等 を 支 え る 役 割 を 十 分 に 果 た し て い く た め に は 、 建 設 業 の 働 き 方 改 革 の 取組 を 一 層 進 め て い く 必 要 が あ る 。

こ の よ う な 状 況 下 に お い て 、 週 休 二 日 が 前 提 と な っ た 多 工 種 工 事 を 受 注 し た 。 本 工 事 の受 注 者 ( 元 請 負 人 ) と し て の 立 場 で 、 以 下 の 問 い に 答 え よ 。

( 1 ) 本 工 事 の す べ て の 工 事 従 事 者 の 週 休 二 日 を 実 現 す る た め 、 施 工 計 画 を 策 定 す る 際 に 検討 す べ き 課 題 を 、 多 面 的 な 観 点 か ら 3 つ 抽 出 し 、 そ れ ぞ れ の 観 点 を 明 記 し た う え で 、 課題 の 内 容 を 示 せ 。

( 2 ) 前 問 ( 1 ) で 抽 出 し た 課 題 の う ち 最 も 重 要 と 考 え る 課 題 を 1 つ 挙 げ 、 そ の 課 題 に 対 する 複 数 の 解 決 策 を 示 せ 。

( 3 ) 前 問 ( 2 ) で 示 し た 解 決 策 を 実 行 し て も 新 た に 生 じ る 懸 念 事 項 と そ れ へ の 対 策 に つ いて 、 専 門 技 術 を 踏 ま え た 考 え を 示 せ 。


回答文

(1)週休二日を実現する施工計画の課題

①能率低下を補う工程管理(観点:工程)

 本工事は多工種工事であり、単工種工事に比べ、生産性は落ちる.これは、工種の入れ替えに伴う段取りが多数発生することが原因である.多工種工事で週休二日を達成するためには、能率の低下を見込んだ上で工種ごとに日々の作業目標を設定し、また、省力化等の工夫を行う必要がある.よって課題は、いかに能率低下を補う工程管理を行うかである.

②日給月給制の技能者への減収補填(観点:収入)

 週休二日に取り組んだ場合、その施工の実働を担う技能者の給与の減が問題となる.これは、技能者が日給月給制をとっている割合が多く、週休二日により月の稼働日数が減るためである.協力会社の社員に対しては、週休二日工事による労務単価の増分を用いた減収手当等により、納得を得る必要がある.よって課題は、いかに技能者の減収を補填するかである.

③工程を左右するリスクの管理(観点:想定外対応)

 急な湧水や支障物の発覚など、不測の事態が生じた場合、工程の遅れが生じ、休日作業の発生につながりかねない.発注者は当初から想定される自然的・社会的制約条件を明示するよう努めており、受注者は明示条件を確認することで、そのリスクに備える必要がある.よって課題は、工程を左右するリスクをいかに管理し、低減させるかである.

(2)最も重要な課題と解決策

 最も重要な課題は、能率低下を補う工程管理である.今回は多工種工事であるため、週休二日を実現するには、高度な工程管理が求められるからである.以下に解決策を述べる.

①ネットワーク工程表の活用

 ネットワーク工程表を導入することで、工程管理を高度化、詳細化する.具体的には、工種ごとの所要日数を算出し、工種間の前後関係、依存関係を矢印で繋ぎ合わせてネットワーク上に表す.これにより、多種にわたる工程が可視化され、工種ごとの余裕期間も把握することが可能となり、工程の高度な管理を行うことができる.

②遅延回復管理の実現

 施工に遅延が生じた場合、遅延回復管理を行う.具体的には、ネットワーク工程表の最短経路(クリティカルパス)上の工種に着目し、その工種に遅延が生じた場合、人員・機材を追加投入することで遅延を回復する.これにより、遅延工種が完了するまでの他工種の手待ちと、その回復のための予定外作業を防ぐことができる.

③現場打ち構造物のプレキャスト化

 プレキャスト化により、工程を省力化する.具体的には、特に複数工種が必要となる現場打ちコンクリート等の作業について、工程組み立て時にプレキャスト化を検討する.これにより工種及び必要日数を減らし、工程の逼迫を解消することができる.

(3)新たな懸念と対策

懸念①:働き方改革推進により、多様な新規採用者が増加し、人員管理事務手間が増加する。

対策①:建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入により、社会保険加入状況、経歴、資格をデジタル上で管理し、事務手間を削減する.

懸念②:1日の作業密度増大により、事故リスクが増加する.

対策②:ICT施工技術の活用による省人化、重機への360°センサー及びバックモニター搭載等により、特に人員の密度が増加したヤード内での接触事故を防止する.

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