令和5年度_技術士建設部門(施工計画)Ⅱ-2-1 二級河川の護岸整備

技術士試験

令和5年度建設部門(施工計画)Ⅱ-2-1の学習記録を復元しました。

施工計画ⅡのPDCA問題は、何かを計測しながらのバランス施工、というストーリーを立てることが合格論文につながると思っています。

※私はR7本番のⅡ-2で、バランス施工が思いつきませんでしたが、かろうじてA判定でした・・・。

これくらいはスラスラ答えられる方に施工を任せたい、という技術士会からのメッセージでしょうか。


問題文

 本 護 岸 整 備 工 事 は 、 大 都 市 郊 外 の 住 宅 密 集 地 を 流 れ る 二 級 河 川 に 対 し て 必 要な 計 画 高 水 流 量 を 安 全 に 流 下 さ せ る た め の 河 川 整 備 計 画 の 一 部 で あ る 。 模 式 図 の よ う に 、非 出 水 期 に 延 長 7 0 m 分 の 既 設 護 岸 設 備 を 撤 去 し 、 新 た に 護 岸 設 備 ( 直 径 9 0 0 m m の 鋼 管矢 板 、 高 さ 7 m の 場 所 も た れ 式 擁 壁 ) を 新 設 し 、 河 道 を 拡 幅 し 河 床 を 設 計 河 床 高 ま で掘 下 げ る 工 事 で あ る 。

一 般 道 か ら 河 川 区 域 へ の ア ク セ ス は 確 保 さ れ て い る も の と し て 、本 工 事 の 担 当 責 任 者 の 立 場 で 下 記 の 内 容 に つ い て 記 述 せ よ 。 た だ し 、 こ の 河 川 に は 水 利権 ・ 漁 業 権 は 設 定 さ れ て お ら ず 、 船 交 通 も な く 、 河 川 水 の 活 用 は 防 災 面 で の 消 防 水 利 のみ で あ る 。

( 1 ) 本 工 事 の 特 性 を 踏 ま え て 、 仮 設 計 画 を 立 案 す る う え で 検 討 す べ き 事 項 を 2 つ 挙 げ 、技 術 的 側 面 か ら そ の 内 容 を 説 明 せ よ 。

( 2 ) 本 工 事 の 工 程 遅 延 の リ ス ク を 1 つ 挙 げ 、 P D C A サ イ ク ル に お け る 計 画 段 階 で 考 慮す べ き 事 項 、 検 証 段 階 で の 具 体 的 方 策 、 及 び 是 正 段 階 で の 具 体 的 方 策 に つ い て そ れ ぞれ 述 べ よ 。

( 3 ) 本 工 事 の 施 工 中 に 重 機 の 圧 シ リ ン ダ ー が 破 損 し 、 漏 れ た 油 が 河 川 に 流 出 し た 。 この 対 応 に 当 た り 、 本 工 事 の 担 当 責 任 者 と し て 発 揮 す べ き リ ー ダ ー シ ッ プ に つ い て 、 複数 の 利 害 関 係 者 を 列 記 し 、 そ れ ぞ れ の 具 体 的 調 整 内 容 に つ い て 述 べ よ 。


回答文

1.仮設において検討すべき事項

1.1.河川の締切方法

 本工事は河川内工事であることから、作業ヤードを確保するため、河川締切工法を検討する必要がある.締切方法は工法及びその断面について決定する必要があり、工法は河川内築堤、土嚢積み、矢板締切等の工法の中から選定する.断面(締切高さ、幅)については、河川管理者との協議の上で必要通水流量を確定し、河川締切時にもその流量を通水可能となる断面に設定する.

1.2.周辺住宅への影響

 住宅密集地での施工となるため、鋼管矢板打ち込み時の住宅への影響を検討する必要がある.住宅への影響を与える要因としては騒音と振動が挙げられ、騒音は周辺からのクレーム発生に繋がり、振動はクレームの他、宅地の沈下や住宅のひび割れを招くリスクがある.これらの影響を抑制するため、騒音や振動の少ないロータリーパーカッション工法の採用や、遮音シートの採用を検討する.

2.工程遅延リスクとPDCA

 本工事の工程遅延リスクとしては、鋼管矢板設置後の河川内掘削時に、矢板のはらみ出しや周辺地盤の側方変位が発生することが挙げられる.この対策をPDCAサイクルに当てはめると、

計画段階:施工上の許容変位量(矢板高さの3%が基準値であるため、その50%)を設定する.

検証段階:掘削工を実施しながら、鋼管矢板の変位量、周辺地盤の変位及び沈下量を計測する.

是正段階:変位等が許容値を超過した場合、掘削工は一時的に中止し、矢板の腹起こし、切り梁、火打ち等の追加設置を早期に実施する.これにより、側方土圧の解放前の対処を徹底する.

3.油圧故障、油漏れ時のリーダーシップ

3.1.油漏れ対応

利害関係者:水利者としての消防団体、河川管理者、油漏れ対応費用負担者

具体的調整内容:水利者及び河川管理者に対しては事故発生後にすぐさま報告する.費用負担者からは安価な方法による対処を求められることから、吸着マット等を使用して油拡散前に対応することで調整する.

3.2.油圧故障

利害関係者:修理費用負担者、発注者

具体的調整内容:故障が発覚した場合、工程に影響を与えないよう、すぐさま修理手配を行う.施工可能時期が限られる場合、予備重機を確保しておくことも手段の一つである.費用負担者には早期に報告し、修理者からは正確な故障原因の特定を依頼する.

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