令和3年度_技術士建設部門(施工計画)Ⅱ-2-2 開削工法による地下通路新設

技術士試験

令和3年度建設部門(施工計画)Ⅱ-2-2の学習記録を復元しました。

掘削工事系の基礎的な問題なのではないでしょうか。地下作業での安全管理方法については、地上含めた3大建設現場災害(重機接触・転落墜落・崩落)のほかに、酸欠や有毒ガスの対策も書ければ高得点につながると思います。

私は深掘削工事の経験があり、その際現場にガス対策を導入しました。埼玉県行田市でマンホール内作業の際に4名が亡くなった事故があったため、いずれ試験本番で問われるのではないかと考えています。


問題文

幹 線 街 路 下 に お い て 商 業 施 設 と 地 下 街 を 連 絡 す る た め 、プ レ キ ャ ス ト 構 造 の 地 下 通 路 1 0 m ( 開 口 : 幅 7 m ✕ 高 さ 4 m ) を 開 削 工 法 に て 新 設 する 工 事 を 実 施 す る こ と に な っ た 。 工 事 に 当 た り 、 路 上 で の 作 業 は 夜 間 に 限 ら れ 、 作 業 時間 帯 以 外 は 交 通 開 放 し 、 周 辺 へ の 配 慮 も 必 要 と さ れ る 。 な お 、 仮 設 構 造 物 を 含 む 設 計 の妥 当 性 は 確 認 済 で あ り 、 工 事 範 囲 及 び そ の 周 辺 に 地 下 支 障 物 は な い も の と す る 。 以 上 を踏 ま え て , 本 工 事 受 注 者 の 担 当 責 任 者 と し  、 以 下 の 内 容 に つ い て 記 述 せ よ 。

( 1 ) 施 工 計 画 を 立 案 す る た め に 検 討 す べ き 事 項 ( 関 係 者 と の 調 整 事 項 は 除 く ) の う ち ,本 工 事 の 特 性 を 踏 ま え て 重 要 な も の を 3 つ 挙 げ 、 そ の 内 容 に つ い て 説 明 せ よ 。

( 2 ) 本 工 事 に お い て 、 責 任 者 と し て 安 全 管 理 を ど の よ う に 行 う の か 、 留 意 点 を 含 め て 述べ よ 。

( 3 ) 関 係 者 と の 調 整 に よ り 決 定 さ れ る 本 工 事 で の 施 工 条 件 を 1 つ 挙 げ 、 調 整 方 針 及 び 調整 方 策 に つ い て 述 べ よ 。


回答文

(1)施工計画立案のために検討すべき事項

①夜間の施工サイクル

 本工事は、路上作業が夜間に限られ、作業時間以外(昼間)は交通解放する必要がある特性がある.そのため、路面覆工取り外し、覆工受桁取り外し、施工、覆工受桁復旧、路面覆工復旧、交通開放のサイクルを夜間に完結させることとなる.この限られた作業時間内に掘削、土留め、支保工、地盤改良、通路設置を行う前提で工程を検討する.

②周辺への配慮

 商業施設のある市街地での夜間施工となる特性から、騒音・振動等、周辺環境へ与える影響の緩和を検討する必要がある.具体的には、低振動・低騒音工法や機械の採用、工事範囲境への騒音計設置による監視体制の構築を検討する.

③薬液注入、地盤改良時の既存構造物への影響

 既存構造物に近接した薬液注入及び地盤改良を実施する特性から、改良時の周辺構造物への影響を検討する必要がある.具体的には、膨張性の低い薬剤の選定が必要となる.

(2)安全管理の方法、留意点

 安全管理手法は下記の4点である.

①重機接触事故の防止

 覆工材撤去設置時、プレキャスト部材設置時に用いる揚重機や、掘削機械と作業員との接触事故を防止する必要がある.そのため、360°モニターやセンサーを導入し、誘導員の配置による指示を徹底する.

②転落・墜落対策

 地上からの転落、昇降時のはしごからの墜落リスクが存在することから、仮設手すりやフルハーネス型墜落制止用具の使用を徹底する.

③崩落災害対策

 掘削時の土砂崩落リスクが存在することから、土留め材の変位・傾きの観測施工を行う.許容変位は掘削深さの3%であることから、その50%に達した段階で追加の腹起こし・火打ち材の追加を行う.

④酸欠・有毒ガス対策

 地下工事のため、酸欠・有毒ガスによる災害リスクがある.そのため、掘削機械の電動化(地上に発電機設置)、作業員のマスク装着、4種ガス検知器(酸素、一酸化炭素、可燃性ガス、硫化水素)の使用を徹底する.

(3)施工条件と調整方策

施工条件:地下街及び商業施設の地下壁取り壊しに際し、施設の老朽化のため、低振動の施工機械を使用するよう要請があった.

調整方針:低騒音ブレーカーを使用するとともに、施設管理者の不安を低減させることが必要と判断する.

調整方策:低振動機器の使用、施設内空等の変位測定の体制を構築する旨、施設管理者に説明を行い、施工継続の合意を得た.

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